- お局看護師に怯えて仕事をしたくない
- お局看護師に縛られたくない
- お局看護師の対処法を教えて
お局看護師の態度や言動により、行動が萎縮して負のスパイラルに陥る新人看護師は少なくありません。
ヨメカンも、各病棟に潜んでいるお局看護師を、入職後のローテーション研修で独自調査を行い、配属先の判断材料としていました。
そこで当記事では「お局看護師の生態」について心理学を用いて解説します。
この記事を読めば、お局看護師を客観的に捉えられるようになるため、自分自身の精神面の安定につながります。
お局看護師との関わりに悩んでいる看護師は最後まで読んでください。
お局看護師は「認知バイアス」により爆誕する
お局看護師の概念はさまざまですが、多くの職場では「年配の女性看護師」を想定して解説します。お局看護師は「認知バイアス」という心理学によって爆誕します。
- 認知バイアス
- 今までの経験などからくる個別の理由によって物事を客観的に見ることができず、何らかの偏見をもってしまう。
認知バイアスに陥る主な要因
- 先入観(こうだって聞いてるからやめとこう)
- 直感(こうでいいでしょ)
- 恐怖(こうなりたくない)
- 願望(こうなってほしい)
人間は慣れた環境に居座ると、無意識に都合の良い解釈をするようになります。自分のキャリアを正当化するために、都合の良い要因(自分が頑張ったこと)のみが成功要因と解釈されます。
- 同じ職場一筋
- 経験年数
- 怒られない(怒る人がいない)
- 病院事情に詳しい
- 慣れた環境
お局看護師は、いびつな職場環境が作り上げる副産物です。
お局看護師の特徴【3つ】
当記事を作成するにあたり、ヨメカンがお局看護師を考察したところ、以下のような特徴がありました。
- 行動しない
- 誠意がない
- セルフ評論家
行動しない(コンフォートゾーン)
お局看護師は現状維持を好みます。心理学的にはコンフォートゾーンと呼びます。
- コンフォートゾーン
- 慣れ親しんだ環境や行動範囲から抜け出さず、安定や安心を優先する心理的状態
年齢を重ねると、それまで行動(挑戦)をしてこなかったお局看護師は、より行動に起こせなくなります。
理由は「怖い」からです。ミスや批判を恐れるあまり、安全で確実な選択を好み、新しいことや未知のリスクに対して慎重になります。
転職して新しい職場環境に踏み込む怖さは具体的に以下になります。
- 信頼関係の構築(よそ者感の払拭)
- 新しい環境への適応(ルールやノリの違い)
- 不慣れな通勤(慣れるまでストレス)
- 疑いを晴らすまでの時間(自分を知ってもらう作業)
「ゼロからスタートする不安」は年齢を重ねるほど増していきます。多くの行動が起こせる可能性を秘めた新人看護師に対しては、先述した認知バイアスの影響で行動を抑制します。
イイ年齢になると、職場環境を心機一転して「なかなか仲間に入れない経験」をすることに恐怖を覚えます。
誠意がない(プロスペクト理論)
誠意とは「その人のためにどれだけ無理ができるか」を表す言葉です。誠意は人間関係の価値を測る目安になります。
お局看護師は、イレギュラーな行動やリスクを避ける傾向があります。このような損失回避の心理をプロスペクト理論といいます。
- プロスペクト理論
- プロスペクトの直訳は「期待」や「見込み」。人間は得した時よりも損した辛さのほうが大きいので、損を回避する判断をする心理。
新人看護師が困っていたり技術不足なとき、優しい先輩看護師であれば的確にフォローアップしてもらえます。
お局看護師は、先述したように無意識に都合の良い解釈になるため、お局看護師が経験した新人時代の苦悩は「なかったこと」になっています。
お局看護師自身に問題があるのではなく、お局看護師を爆誕させた職場環境が問題です。
セルフ評論家(傍観者効果)
賢そうなことを話しているように見えて、話の中身を分解していくと1mmも世の中を動かすことのできない「〜であるべき論」を語るお局看護師は、傍観者効果という心理学が影響しています。
- 傍観者効果
- 「自分が行動しなくても誰かが行動してくれるだろう」という心理。特に集団の中では、行動が抑制される。
新人看護師の行動(特に失敗)に対して、一般的な理想論で批判したり「アドバイス」をしたりするだけで、実践につながる代替案を提示したり、実際にアクションしたりすることは基本的にありません。
自ら能動的に動くより、他人の行動に反応することのほうを好み、他人の行動を称賛するより、無責任に批判することを好むのは、昼間のカフェや夜の居酒屋での会話に耳を傾ければ明白です。
お局看護師の視点では、新人看護師の成功体験は「努力以上に運が良かった」、失敗体験は「運よりも努力不足」と解釈されます。
お局看護師は「良い部分」より「悪い部分」の指摘が圧倒的に多いです。
お局看護師の対処方法【2つ】
お局看護師の対処法は以下の2つです。
- 戦略的退職
- メタ認知
「お局看護師の行動」や「職場の人間関係」などは職場環境は自分で変えることができないので「無理なく働ける環境へ転職」や「健康的な生活習慣」など、自分で変えられるものに注力しましょう。
以下の記事はお局看護師との人間関係で「辞めたい」と考える方へオススメです。
戦略的退職(いつでも辞められる準備)
戦略的退職とは、ヨメカンが提唱している概念で、一言で表すと「いつでも辞める準備万端でーす」の状態を常に保っておくことです。
看護師の働き方は職場環境が10割なので、職場環境次第で人生が変わります。「退職や転職をしたい」という動機がありながら、あと一歩踏み出せない原因を以下で解説します。
サンクコスト効果
看護師の退職を阻害する要因のひとつにサンクコスト効果が考えられます。
- サンクコスト効果
- 既に投入した資金、時間、努力などを惜しむために、不合理な選択をし続けること。
端的に言うと「苦労してなった看護師を続けなかったら、今までの人生が水の泡になる…」という心理状況です。
- 看護実習
- 国家試験の勉強
- 就職活動
- 看護技術の取得
- これまでのキャリア
- 比較的高水準な給料
さまざまな苦労を重ねて看護師の資格を取得し、築き上げたキャリアを手放す決断は簡単ではありません。キャリアにおいての「安定」は、両親や教師が大好きな言葉でもあります。
しかし、「安定」は行動したいと思っている看護師の足かせになる言葉なので、必要以上に意識しないようにしましょう。
自分のニーズとアクションが必ず一致するとは限りません。多くの看護師が「転職したいけど行動できない」ジレンマを抱えています。
不確定要素が多い
転職に対する不安は、ホラー映画を観る怖さに似ています。人間は不確定要素が強いものに不安や恐怖を抱く生き物です。
漠然としてるほど不安や恐怖は増していきます。転職に対する不安は、転職した“後”よりも転職する“前”の漠然とした不安のほうが強いことを理解しておく必要があります。
転職する前は「転職してどうなるか不透明」であるが故に、転職に対する不安を大きく見積りすぎてしまい、適材適所の職場に転職するタイミングを逃す看護師が少なくありません。
転職する前後で、不安や恐怖感が異なることを把握しているか否かで、転職に対する行動パターンが変わってきます。
戦略的退職のスキルを備えている看護師は「転職する前が最も不安になる」ことを理解しています。
「意志」に依存する
たとえば「今日からダイエットをするぞ」と決めても多くの人が挫折します。中谷彰宏氏が残した以下の名言が深く共感できます。
「したい人、10000人。
始める人、100人。
続ける人、1人。」
意志が極めて強い看護師でなければ、行動を管理することはできません。
職場環境を変えるだけで、行動を変えることができます。看護師は「環境→行動→感情」の順に動いているからです。
多くの看護師が感情(モチベーション)だけで行動を変化させようとするため、居心地のよい職場環境に甘えて行動できなくなります。
モチベーション(もっと頑張りたい!という感情)は、行動した後の成功体験から得られる副産物です。行動を起こす前から「モチベーションがない」とボヤく看護師は間違いです。
メタ認知(自分で自分自身を客観的に見つめる)
- メタ認知
- 「メタ」とは、いわば「高次の」という意味で、自分の行動や考え方、性格などを別の立場から見て認識する活動を指します。
幽体離脱のように対象となる物事を離れたところから眺めるイメージです。
失敗を正当化しない
自分の失敗を抱えてしまう新人看護師は多いです。
メタ認知ができない看護師は「自分の失敗を正当化する癖」があります。
失敗から自分を切り離して評価するときに「ここは改善の余地があるな」「あそこを行動が悪かったな…」のように物事を客観的に見れないと失敗を繰り返してしまいます。
- あれはしょうがないと自己正当化
- あれは〇〇が悪いと他人を標的にする
- あれはタイミングが悪かったと運のせいにする
具体的な対策は、自分が尊敬できる先輩や偉人、架空の人物などの失敗体験を学ぶことです。失敗に対する耐性が身につき、失敗を正当化せず客観的な評価(メタ認知)ができるようになります。
ヨメカンは、エジソンを参考にしていました。「失敗したのではなく、うまくいかない方法を1万通り見つけただけ」はメンタル強すぎます。
失敗は環境に目を向ける
毎年夏場になると、園児を通園バスに置き去りにされる事故が後を絶ちません。
園児がバスに置き去りにされた理由は、職員の確認不足(失敗)です。人に依存した結果、エラーが起こるのであれば「環境(仕組み)で解決できないか」考える必要があります。
この事件は、仕組みを変えれば簡単に対策ができます。
「ドライバーが園児をバスに乗せるときに園児の帽子を回収して、バスから降りるときに帽子を返す。」
帽子が余ったときは車内に園児が残っていることが確定するので、見落としのエラーは無くなります。
たったこれだけの仕組みで園児の命を守ることができます。
看護師も人間なので、さまざまな失敗をします。指差し確認をしても、ダブルチェックをしても、失敗をゼロにすることは不可能です。
看護師の業務も、置かれている環境(仕組み)を変えることが最も有効です。
たとえば、病棟の電話対応は新人看護師が対応しなければならない暗黙のルールがあります。「病棟でしなくていい業務は病棟でやらない(廊下で記録をするなど)」という対策をとれば、電話対応する必要がなくなりますし、他の看護師からの目線を気にせず自分の業務に集中できます。
職場環境で自分の価値が変わる
スニーカーは人によって価値が変化します。ある人は「履くもの」として価値を感じますが、ある人は「飾るもの」として価値を感じていたり、「投資」と考えます。
看護師も、自分自身がどのような職場環境で価値を見出せるか客観的に評価(メタ認知)する必要があります。
病院の看護師業務は適応できなくても、クリニックの看護師業務に適応できる可能性が大いにあるので、職場環境の適正をメタ認知で見極めることが重要です。
転職して環境を変えると「お局看護師になることを避けられて」「自分の価値観に気づけて」「職場環境も変わる」で三方良しとなります。
職場環境は所詮ガチャ(運)なので、適応できない場合は戦略的退職を行いましょう。
まとめ
お局看護師まとめ
今回は「お局看護師の生態」を心理学を用いて解説しました。お局看護師の対処を学ぶことも重要ですが、お局看護師に耐えきえなくなった場合は躊躇せずに退職してください。
以下の記事では「ヨメカンが実際に利用した退職代行モームリの利用方法」について解説しているので、こちらの記事も是非読んでみてください。
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