看護師が活躍する介護施設の種類と仕事内容を徹底解説!

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介護施設での仕事に興味があっても、病院とは異なる環境に不安を感じる看護師は多いです。介護施設で働く看護師は、高齢者の健康管理や医療行為、ケア業務など幅広い役割を担うやりがいのある職業です。この記事では、介護施設で働く看護師の仕事内容や給料、向いている人の特徴などを詳しく解説します

記事を読めば、介護施設での看護師の仕事について理解が深まり、自分に合った職場選びが可能です。介護施設では、長期的な視点で高齢者の生活を支える責任のある仕事に挑戦できます。

看護師が働く介護施設の種類

看護師が働く介護施設の種類は、以下のとおりです。

  • 特別養護老人ホーム(特養)
  • 介護老人保健施設(老健)
  • 介護医療院
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • グループホーム
  • デイサービス

特別養護老人ホーム(特養)

特養は、要介護3以上の高齢者が入居できる施設です。24時間体制で介護サービスを提供し、終身利用が可能なため、入所者は安心して生活できます。特養は、低所得者向けの料金設定と医療的ケアが必要な入居者も受け入れている点が特徴です。看護師は常勤配置されており、入居者の健康管理や急変時に対応します。

介護職員との連携を密にし、入居者一人ひとりに適切なケアを提供します。看取りケアも行うため、人生の最期まで寄り添う責任のある仕事です。特養には地域密着型と広域型があり、介護保険制度のもとで運営されています。特養は高齢者の生活を支える施設として、今後も需要が高まる可能性が高いです。

介護老人保健施設(老健)

老健は医療と介護の中間的な施設で、在宅復帰を目指したリハビリに重点を置いています。入所期間は原則3~6か月で、24時間体制の看護や介護サービスが可能です。医師による医学的管理や理学療法士、作業療法士によるリハビリも行われます。

要介護1以上の認定を受けた人が利用でき、食事や入浴、排泄などの日常生活の支援が受けられます。医療的ケアと生活支援の担当、病院や在宅との連携も看護師の重要な役割です。ショートステイやデイケアを併設している場合もあり、多様な働き方ができます。地域に根差した職場で働きたい方におすすめです。

介護医療院

介護医療院は、医療と介護を一体的に提供する施設です。2018年に創設された介護保険施設は、長期的な医療や介護ニーズを持つ高齢者向けに設計されています。介護医療院は、24時間の医療と看護の体制が整っています。入所者の看取りまで対応しており、看護師は幅広い医療の知識と入所者に寄り添うスキルが必要です。

入所者の平均要介護度が高い傾向にあり、医療依存度の高い利用者の受け入れが多いです。介護医療院で働くには、体力と忍耐力が求められます。慢性期の医療や介護ニーズに対応するため、長期的な療養が必要な高齢者との関わりが増えます。

有料老人ホーム

有料老人ホームは、入居者の生活の質の向上を目的とした、民間企業が運営する高齢者向けの居住施設です。介護付き有料老人ホームでは、24時間体制の介護サービスを提供しています。

看護師は、入居者の健康管理や医療処置を担当し、介護スタッフと協力して入居者のケアを行います。入居者の生活全体の見守りと支援も重要です。医療と介護の両面から入居者をサポートできるため、やりがいを感じられます。入居者の自立度や要介護度に応じたケアを提供し、緊急時の対応や家族との連絡も担います。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者の安心と安全な暮らしを支援する住宅です。介護や医療サービスを提供する事業所と連携している点が特徴です。看護師は、サービス付き高齢者向け住宅では常駐せず、訪問看護ステーションから派遣される形態となります。

サービス付き高齢者向け住宅は、自立した生活が可能な高齢者向けの施設です。高齢者の自立した生活を支援しながら、必要な介護や医療サービスを提供します。

グループホーム

グループホームは、認知症高齢者のための小規模な共同生活の場です。5〜9人程度で家庭的な環境を提供します。日常生活の支援や介護、認知症ケアに特化したサービスの提供が可能です。

看護師は常駐せず、必要に応じて訪問し、医療対応は外部の医療機関と連携します。入居者の個別性を重視したケアプランの作成と、一人ひとりに合わせたサポートを行います。認知症ケアに特化したい人や、家庭的な雰囲気の中でケアを提供したい人におすすめの職場です。

デイサービス

デイサービスは、高齢者や障害者が日中に通う施設です。利用者の自立支援と家族の介護負担軽減を目的としています。サービス内容は、入浴や排せつ、機能訓練の提供や健康管理、送迎サービスなどがあります。看護師の業務は、利用者の健康管理と緊急時の対応です。

介護職員と協力しながら、利用者一人ひとりに合わせたケアを行います。デイサービスの利用時間は通常、朝から夕方までです。利用者の状態に応じて個別のケアプランを作成し、プランにもとづいたサービスを提供します。認知症ケアや、機能訓練に特化したプログラムを用意している施設も多いです。

介護施設で働く看護師の仕事内容

介護施設で働く看護師の仕事内容は、以下のとおりです。

  • 健康管理(バイタルチェック・健康相談)
  • 医療行為(投薬・点滴・処置)
  • ケア業務(身体介護・日常生活の援助)
  • 他職種との連携(介護職員・理学療法士・作業療法士など)
  • 緊急対応(急変時の対応・救急搬送の手配)

健康管理(バイタルチェック・健康相談)

介護施設で働く看護師は、入居者の健康状態を常に把握し、適切なケアが求められます。具体的な業務内容は、以下のとおりです。

  • バイタルサインの測定と記録
  • 体重測定と管理
  • 食事摂取量や排泄状況の確認
  • 皮膚の状態や浮腫のチェック
  • 服薬管理と副作用の観察
  • 定期的な健康診断の実施と結果管理
  • 感染症予防対策

健康管理を通じて、入居者の状態変化を早期に発見し、適切に対応します。入居者や家族からの相談に応じ、不安や疑問を解消し、安心して生活できる環境を整えます。

医療行為(投薬・点滴・処置)

介護施設で働く看護師の医療行為の内容は、以下のとおりです。

  • 投薬
  • 点滴や注射の実施
  • 褥瘡(床ずれ)のケア
  • 傷口の消毒と包帯交換
  • カテーテルの管理と交換
  • 吸引
  • 酸素療法の管理

高齢者は複数の薬を服用している場合が多いため、正確な管理が必要です。インスリン注射と血糖値管理、経管栄養管理、人工肛門のケアなども行います。介護施設での医療行為を適切に行うには、正確な知識と技術が必要です。高齢者の状態は個人差が大きいので、一人ひとりの状態に合わせた対応が必要です。

ケア業務(身体介護・日常生活の援助)

介護施設で働く看護師は、身体介護や日常生活の援助を通じて、入居者の生活の質の向上をサポートします。食事・入浴・排泄介助はもちろん、移動や衣服の着脱介助、口腔ケアなどのサポートも提供します。

ケア業務を通じて、入居者の身体機能の維持や改善、入居者の心のケアを行いましょう。入居者の個性を尊重した生活支援を心がけてください。安全面にも十分注意を払い、転倒や誤嚥などの防止も徹底します。

介護施設での看護師のケア業務は、医療的な視点を持ちながら生活全般をサポートする総合的なものです。一人ひとりのニーズに合わせたきめ細やかなケアを提供が、より質の高いサービスにつながります。

他職種との連携(介護職員・理学療法士・作業療法士など)

患者の健康と生活の質を向上させるためには、チームでの協力が欠かせません。下記の職種と連携することで、利用者に最適なケアを提供可能です。

介護職員
利用者の日々の状態変化やケアプランの調整について情報を共有します。
理学療法士
リハビリ計画を立てたり、リハビリの進捗を確認したりします。
作業療法士
利用者の自立支援や日常生活動作の改善について協力することが大切です。
医師
診察結果を共有したり、投薬指示を確認したりします。
栄養士
利用者の食事内容を調整し、栄養管理について相談します。

スムーズな連携を行うためには、コミュニケーション能力やチームワークが必要です。

緊急対応(急変時の対応・救急搬送の手配)

介護施設で働く看護師は、急変時に迅速かつ適切な行動が求められます。バイタルサインと意識レベルを確認し、状況の深刻さを判断します。施設の緊急時マニュアルに従って行動し、医師への報告と指示受けも忘れずに行いましょう。

状況に応じて、救急車の要請が必要かどうかを判断します。救急車を呼ぶ場合は、家族への連絡も必須です。応急処置が必要な場合は、適切に実施します。救急搬送の準備として、必要な書類や薬剤情報をまとめておきましょう。他のスタッフへの協力要請と役割分担も行います。

搬送先の病院へは、患者の情報を正確に提供します。施設内での情報共有と記録も大切です。

介護施設で働く看護師の1日のスケジュール

介護施設で働く看護師の1日のスケジュールは、朝の申し送りから始まり、1日を通して健康管理や生活支援を行います。施設によって多少の違いはありますが、基本的な流れは以下のとおりです。

出勤・引き継ぎ(8:00)
朝出勤し、夜勤の看護師から利用者の体調や変化について情報を引き継ぎます。引き継ぎ内容の確認と、スケジュールや担当者の把握が必要です。
朝のバイタルチェック(8:30)
各利用者の体温、血圧、脈拍などを測定し、健康状態を確認します。体調の変化がある利用者がいれば、ケアマネージャーや家族への報告が必要です。
服薬管理・食事介助(9:00)
利用者の朝の薬の準備と服薬のサポートを行います。必要に応じて、食事の介助も行い、食事量や水分摂取量を記録します。
日中のケア(10:00)
身体ケアや清潔ケア(おむつ交換、口腔ケアなど)をする時間です。利用者の皮膚状態を確認し、褥瘡(じょくそう:床ずれ)の予防に努めます。
医師の回診・処置(11:00)
医師が来訪する場合には同行し、利用者の状況報告が必要です。必要に応じて点滴や簡単な処置を行います。
昼食準備・服薬(12:00)
昼食の時間に合わせて服薬管理や食事介助を行う時間です。利用者の食事状況や健康状態に変化がないか確認し、記録します。
記録の整理・書類作成(13:00)
利用者の状態やケア内容を記録し、必要な報告書や記録書類を作成します。
午後のケア(14:00)
午後のバイタルチェックや必要なケアを行う時間です。他のスタッフと連携し、リハビリやレクリエーションが行われる場合は健康管理をサポートします。
夕方の服薬管理(16:00)
夕方の薬の準備と服薬をサポートする時間です。1日の利用者の体調を再確認し、夜勤の看護師へ引き継ぎの準備をします。
引き継ぎ・退勤(17:00)
夜勤の看護師に利用者の1日の様子や重要な情報の引き継ぎが必要です。業務の確認を行い、退勤します。

施設の状況や利用者の体調によっては、急な対応が必要となる場合もあります。

介護施設で働く看護師の給料

介護施設で働く看護師の給料に関する、以下の2点を解説します。

  • 介護施設で働く看護師の平均年収
  • 各介護施設での給料の違い

介護施設で働く看護師の平均年収

介護施設で働く看護師の平均年収は、400~450万円です。平均年収は、経験年数や施設の種類によって変動します。病院勤務の看護師と比べると、介護施設で働く看護師の年収は低めになる傾向があります。介護施設は夜勤が少ないからです。

都市部の施設は、地方の施設よりも給与が高い傾向にあります。公立施設は民間施設よりも年収が高くなる場合が多いです。役職に就くと年収が上がります。認知症ケアなどの専門性を持ったり、追加の資格を取得したりすると、年収アップにつながります。賞与や各種手当も、年収に影響を与える要因です。

各介護施設での給料の違い

介護施設での給料は、医療ニーズの高い施設ほど高い傾向にあります。各介護施設での月給の相場は、以下のとおりです。

  • 特養:20〜25万円
  • 老健:22〜27万円
  • 介護医療院:23〜28万円
  • 有料老人ホーム:21〜26万円
  • サービス付き高齢者向け住宅:20〜25万円
  • グループホーム:19〜24万円
  • デイサービス:18〜23万円

相場は目安であり、実際の給与はさまざまな要因によって変動します。夜勤手当や資格手当、経験年数や役職により給与が上がります。地域による違いも考慮しましょう。都市部と地方では給与に差があり、施設の規模や経営状況によっても給与に差が出る場合があります。

給与だけでなく、働きやすさやスキルアップの機会なども含めて総合的に判断しましょう。
» 看護師の給料が割に合わない理由と給料を上げる方法

介護施設が向いている看護師の特徴

介護施設が向いている看護師の特徴は、以下のとおりです。

  • 高齢者とのコミュニケーションが得意な人
  • 長期的な信頼関係を築ける人
  • チームで働くのが好きな人
  • 看護師のキャリアにブランクがある人

高齢者とのコミュニケーションが得意な人

高齢者とのコミュニケーションが得意な人は、介護施設で働く看護師に向いています。傾聴力が高く、高齢者の話をゆっくり丁寧に聞けるためです。コミュニケーションが得意な人の特徴は、以下のとおりです。

  • わかりやすい言葉で説明できる
  • 非言語コミュニケーションを活用できる
  • 価値観や生活習慣を尊重できる
  • 辛抱強い対応ができる

ユーモアがあり和やかな雰囲気を作れる人は、コミュニケーションが円滑に進みます。高齢者の身体・精神の変化に敏感で、適切に対応できることも重要です。高齢者の自尊心を傷つけないよう配慮できる点も大切です。

認知症の人とのコミュニケーション方法への理解も求められます。高齢者の生活歴や趣味に関心を持ち、会話に生かせる人は、より深い信頼関係を築けます。

長期的な信頼関係を築ける人

介護施設で働く看護師には、患者との信頼関係を大切にし、継続的なケアを提供できる能力が必要です。忍耐強さや共感力、一貫したケア提供能力などの特徴を持つ人は、長期的な信頼関係を築きやすいです。定期的なコミュニケーションを通じて、一人ひとりのニーズや好みを把握しましょう。

高齢者の尊厳を重視し、敬意を持って関われる看護師は、介護施設での長期的なケアに向いています。

チームで働くのが好きな人

チームで働くのが好きな人は、介護施設での看護師の仕事に向いています。介護施設では、多職種連携が重要なため、協調性の高い人が活躍可能です。情報共有を大切にでき、チームの目標達成に向けて積極的に貢献できる人も、介護施設での仕事が向いています。

他者の意見を尊重し、柔軟に対応できる看護師にも介護施設はおすすめです。多様な価値観や考え方を受け入れ、建設的な意見交換ができる人は、チーム内で重宝します。

看護師のキャリアにブランクがある人

看護師のキャリアにブランクがある人にとって、介護施設は復職の良い選択肢です。介護施設は、ブランクのある看護師でも働きやすい環境が整っています。介護施設は、業務内容が病院よりも比較的緩やかです。勤務時間が規則的なため、生活リズムを整えやすいのも特徴です。

段階的に仕事に慣れ、看護スキルを徐々に取り戻せる環境にあります。介護施設での勤務は、ワークライフバランスを取りやすく、子育てとの両立がしやすいです。夜勤が少ないか全くない施設も多いので、私生活との両立を図りやすいです。

介護施設は、自分のペースで看護師としてのスキルを取り戻せるため、安心して職場復帰を目指せます。
» 看護師に向いてない人の特徴と転職先の選択肢

まとめ

介護施設には特養や老健、有料老人ホームなど種類がさまざまです。仕事内容は、健康管理や医療行為、ケア業務など多岐にわたり、やりがいを感じられます。高齢者と良好なコミュニケーションが取れ、チームで働くのが好きな人に向いている職場で。ブランクがある看護師も安心して働けます。
» 看護師の働き方を就業場所別、雇用形態別、勤務形態別に解説!
» 看護師を辞めたいと感じる理由と具体的な対処法

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