- 看護師の理想と現実が違い過ぎた
- 自分が想像していた仕事内容ではなかった
- そもそも看護師向いてなかった
上記のような理由で「看護師辞めたいな」と薄々感じていながらも、様々な理由で辞められない看護師は多いです。
私は公立の急性期病院、行政保健師、民間の急性期病院で看護師として勤務し、様々な理由で「看護師を辞めたい」と思うことが多々ありました。
当記事では「辞めたいけど様々な理由で辞められない看護師」に寄り添います。
この記事を読めば「自分に合った看護師の働き方」がわかります。
「転職しよう」とする“行動”の前には「辞めたい」という“感情”があって、その根底は「人間関係や業務過多」などの“職場環境”です。
大袈裟でもなんでもなく、退職や転職は命をつなぐアクションであり、新しい働き方に出会うアクションでもあります。
看護師の最重要スキル「戦略的退職」
あなたは「看護師をする際に1番重要なものには何か」を真剣に考えたことはありますか?
以下の候補が上がることが多いです。
- 患者を助けたいという「原動力」
- どんな患者にも対応できる「技術」
- 解剖学、生理学のような「知識」
- 給料やボーナスといった「お金」
他にも様々な候補がありますが、全て間違いです。上記はすべてモチベーションを高めるための手段です。
看護師として働く上で最も重要なのは戦略的退職です。
戦略的退職を保守的に考えない
戦略的退職は、自動車にたとえるとブレーキを踏む行動です。
このブレーキ(戦略的退職)は、自分を守るためにあるものではなく、アクセルをベタ踏み(挑戦)するために備え付けられています。
アクセルをベタ踏みできても、ブレーキの精度が高くないと大きな事故につながります。
新人や若手の看護師が体調不良に陥りやすい理由は「高性能なブレーキ(戦略的退職)」が身についていないためです。
新卒で大病院に就職してアクセルを踏み続けて、最初のファーストコーナー(試練)で事故を起こした場合、取り返しのつかないことになります。
アクセル全開で業務を行った結果、高性能なブレーキが(戦略的撤退)が身についていないため、うつ病や適応障害などの病気に罹患する負のスパイラルに陥ります。
看護師を辞められない原因は「サンクコスト効果」
自分に適応しなかった職場環境で永遠に就労することは得策ではないので、体調不良やメンタル崩壊といった致命傷になる前に戦略的退職する見極めは非常に重要です。
- 看護師の「仕事内容」
- 働く「環境」
- 職場の「人間関係」
- 給料やボーナスなどの「インセンティブ」
- 地域からみた職場の「評価」
「あっこの職場環境は無理だ…」と感じたら速やかに戦略的退職を考えましょう。
戦略的退職は、命をつなぐアクションであり、チャンスをつなぐアクションであり戦略的退職ができないと転職をはじめとした挑戦ができません。
看護師資格を取得するために費やした多大な努力や時間が無駄になることを恐れて、看護師のキャリアを続けることを正当化しようとする心理をサンクコスト効果といいます。
- サンクコスト効果:
- 既に投入した資金、時間、努力などを惜しむために、不合理な選択をし続けること
「苦労してこの職場に入職したし…」と深く思い込み、看護師を辞めることへの抵抗感を強めてしまいます。
「石の上にも三年」は古い考え方
大学病院や市中病院をはじめとする急性期病院の看護師は、優れているのが病院の看板やブランドであることを棚に上げて、自分が優れていると思い込んでしまう傾向があります。
クリニックの看護師でも、介護施設の看護師でも、訪問看護でも優秀な看護師は当然います。
現在の職場に悩んでいる看護師は、他の職場環境をもっと知る必要があります。
日本看護協会の2023年病院看護実態調査報告書で新卒看護師の10人に1人が離職し、医労連の2022年看護職員労働実態調査報告書では5年以内に3人に1人、10年以内に2人に1人離職することが判明しています。
「石の上にも三年」ということわざの影響で、早期の退職や転職は「根性なし」や「メンタル弱い」と思われるかもしれません。
一方で、「石の上にも三年」ということわざができたのは江戸時代です(諸説あり)。時代は令和なので当時と状況が大きく変化しており、根拠のないことわざの信憑性は皆無です。
看護師が働く職場環境を把握した上で、自分で自分を評価できることが大切です。
「自分のできること」を探しましょう。
ヨメカンは夜勤ありの働き方が合わなかったので、夜勤なしの職場環境に転職しました。
「できる看護師」の本当の定義
「辞めても他に職場はある」と戦略的退職ができる看護師と、「看護師になった以上後に引けない」と決死の覚悟で大病院で働いている看護師では心の持ち用が異なります。
あなたの考える「できる看護師」はどんな看護師ですか?
- ドクターヘリの基幹病院でフライトナースとして働く
- 救命救急センターで重篤な患者の処置を行う
- メディアで取り上げらている有名な医師の手術につく
- どんなルートでも1回で確保する
- 急変対応が迅速で的確
「あこがれの看護師」はハイリスクハイリターン
誰しもがあこがれる看護師像の大半は、大病院でしか経験できないため、価値がある一方で体力的にも辛く、ハイリスクハイリターンです。
- ハイリスク
- ・勤務が不規則で体調を崩しやすい
・急変が多く殺伐とする環境
・時間外の業務や研修参加が多い
- ハイリターン
- ・夜勤が多いので給料が多い
・大病院の知名度を活かせる
・専門的な経験を積むことができる
大病院で看護師を続けるということは、あなたの職場にいるようなお局看護師になるか、冴島さんになるかの2択です(まさにハイリスクハイリターン)。
このような看護師を「できる看護師」と定義していた人は多いはずです。
「限界看護師」はハイリスクローリターン
限界看護師の枠組みは基本的に「あこがれの看護師」と同等で、お局看護師になるか、冴島さんになるかの2択です。
転職や退職には「あこがれの看護師」と比較すると前向きですが、「できる看護師」と考え方が異なります。
「限界看護師」は、転職や退職を「絶対に失敗できない」と捉えています。
現在働いている職場よりも優れている環境に転職したい欲が強過ぎて、転職するタイミングを見失い、中途半端な気持ちで働き続けることになります。
「限界看護師」になる看護師は冴島さんのように意識も高くないため、途端にお局看護師の有望株にリストアップされます。
転職の準備をしていないタイミングで、予期せぬトラブルに見舞われて退職せざるを得なくなるのも「限界看護師」の特徴です。
「できる看護師」はローリスクハイリターン
自分の職場を思い返してください。あなたが考える「できる看護師」って辞めてませんか?
「できる看護師」は、その人にとってのローリスクハイリターンの職場環境で看護師を継続したり、第二新卒として別の企業に転職しています。
- ローリスク
- ・夜勤なし
・残業なし
・緊急入院なし
- ハイリターン
- ・週休完全二日制
・ボーナス年3回
・長期休暇がとりやすい
・福利厚生の充実
・研修参加は病院負担
「できる看護師」の特徴として「いつでも辞めれます」の精神状態で働いています。
- 退職しても看護師の求人は無数にある
- 看護師の退職は日常茶飯事
- 体調不良になるより全然マシ
「できる看護師」は「看護師は転職するもの」と捉えており、良い職場環境に巡り合えるかは運とタイミングであることがわかっているので、積極的に転職します。
看護師の比較対象は「他人」ではなく「過去の自分」
「自分で自分自身を客観的に見つめること」を、心理学ではメタ認知といいます。
「メタ」とは、いわば「高次の」という意味で、メタ認知は、自分の行動や考え方、性格などを別の立場から見て認識する活動を指します。
メタ認知は「幽体離脱して上から俯瞰する」イメージです。
メタ認知ができていない看護師は周りと比較する
「あの人はうらやましいな」「どうして自分にはできないのだろう」と、嫌な気持ちになって終わってしまうことも少なくありません。
最悪の場合、「自分には絶対できないことができる人」をみると、激しく妬んだり、自己を強く否定したり、その人の足を引っ張る行動をすることすらあります。
他の看護師と自分を比較することは、置かれている環境次第で非常に危険な作業になり得ます。それでも、比較することでしか自分のことはわかりません。
具体的には「過去の自分」や「自分の理想像に近い人」、「時代の価値観(後述します)」と比較します。
「自分の理想像に近い人」は当然他人との比較になりますが、これは「自分があこがれる人」という解釈であり、その人をみたり、思い浮かべたりするとポジティブになれる人のことです。
あこがれている人の「真似」をしたり、その人の振る舞いを自分に取り入れたりすることが大切です。
繰り返しますが、ただ周りにいる他人と比較しても、嫌な気持ちで終わることが少なくありません。
そんな自分を「過去の自分」と比べて、明らかに良くなっていれば御の字ですし、たとえわずかな進歩であっても「昨日の自分よりはマシ」だと思れば十分です。
「過去の自分」にだけ勝てばいいんです。
「成果」は比較対象にならない
「架空の人物」と比較することも有効です。
架空の人物であっても、その時代の平均的な人の感情を反映した存在です。これが先述した「時代の価値観」で、自分の時代や思考と比較できます。
コード・ブルーの冴島さんにあこがれて看護師を目指した人は少なくないと思います。
利用できるものはなんでも利用して「己を知る」。
重要なのは、比較して反省するばかりではなく、自分の優れた面について考えることです。
「なぜわたしにはできないのだろう?」ではなく、「わたしならこうしてしまうのに、なぜこの人はこんな選択をしたのだろうか?」と考えます。
一方で、行動した結果の「成果」を比較のは無意味です。
周りから好かれたり、経済的に豊かになっても、当の本人が心から満足を感じられなければ意味がありません。
自分の人生が花開く感覚は、自分が満足できる働き方や生き方をすることでしか得られません。
職場環境次第で「メタ認知」ができなくなる
己を知ろうとすることが、自分の成長につながっていきます。
そのためには、やはり周りの環境の影響は大きいです。
看護師一人ひとりに強みが備わっていても、過度に不安を感じがちな性格、周りの環境の圧力などで潜在化してしまう看護師が一定数います。
本来であれば自分の力で訪問看護を起業してやっていけるのに、長期間同じ職場で働いてきた体験や環境のために、自分の本当の願望に気づけなかったり、職場を離れることに強い不安を感じることもあります。
一方で、クリニックや介護施設の看護師として適性があるのに「大病院の看護師こそ正義」という固定概念でお局と化してしまう看護師もいます。
自分の職場環境に慣れて変化を恐れた結果、居心地が良くなってしまった看護師が招く悲劇です。
これらはすべて、自分の適性を見誤ることで起こるミスです。
- 自分が現在している努力で、本当に目的が達成されるのか
- 現在掲げている目的は、本当に自分がやりたいことなのか
- 周りに流されてやっているだけではないか
- 何かに洗脳されているのではないか
上記のように自問自答することで自分自身を見つめ直しましょう。
まとめ
今回は「転職・退職を準備している看護師に向けたスキル」について解説しました。転職・退職を準備するだけでなく、実際に行動に起こしてより良い看護師ライフを築き上げましょう
以下の記事では「ヨメカンが実際に利用したレバウェル看護」について解説しているので、こちらの記事も是非読んでみてください。
看護師を即日で辞めたい場合は退職代行がオススメです。以下の記事は「ヨメカンが実際に利用した退職代行モームリ」について解説しているので「今すぐ看護師辞めたい…」と考えてる看護師はぜひ利用してください。
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